当社は就業規則を作成していませんが、職場放棄をしたアルバイトに対して制裁として給与から引きたいと考えています。仮に、時給800円で5時間、週に2回勤務、月に8回勤務とし、給与が32.000円とした場合いくらまで引けますか?
労働基準法では、就業規則で、労働者に減給の制裁を定める場合においては、その減給は、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が1賃金支払期における賃金総額の10分の1を超えてはならないとしています。
就業規則で減給の制裁につき明記しておく必要があります。就業規則を作成していない場合に減給を行うと、賃金の全額払いの原則に抵触することになります。
今後就業規則を作成し、減給の制裁を明記したことを仮定して今回のケースの減給について説明します。
平均賃金の算定方法ですが、時給計算の場合、次の計算式で算出した金額の大きい方を平均賃金とします。
- A)算定事由発生日以前3箇月に支払われた賃金の総額÷算定事由発生日以前3箇月間の総日数→800円×5時間×24回÷3ヶ月間の暦の日数
- B)算定事由発生日以前3箇月に支払われた賃金の総額÷算定事由発生日以前3箇月間の労働した日数×0.6→800円×5時間×24回÷24日間×0.6
A)の算式での3ヶ月間の暦の日数とは、事由発生の前3ヶ月間ですから、減給事由が今発生したとすれば、7~9月の暦日数の92となります。
提示された例をこれで計算しますと、A)は1,043円(端数四捨五入)、B)は2,400円となり、このケースの平均賃金は、B)の2,400円。
ですから、1回の減給額は1,200円となります。
「総額が一賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない」とは、数事案の制裁を受ける場合に、減給額の合計額が「一賃金支払期における賃金の総額の10分の1」以上になっても、10分の1までしか減給できないことを意味します。
これを提示された例で見ますと、減給の対象となる一賃金支払期の賃金が32,000円ですから、その10分の1、すなわち、3,200円までしか減給することができないということを意味します。
従って、当該期間中に3事案以上の制裁がなされたときにも、3,200円までしか減給できないことになります。
将来に備えて就業規則の作成を早急に行うべきです。


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