「適格年金は平成24年3月31日までで廃止されることになりました。」という事実をご存じのかたは多くても、大半の方々が適格年金の本質や、そこから派生する問題点についてまでは正しく捉え切れていないというのが現状といえるでしょう。
以下に、積立不足の発生問題をまとめてみたいと思います。
適格年金に関して、よく問題になるのが長引く低金利の影響による積立不足の発生です。適格年金は、一定の金額を社外に積立てることで将来の退職金支払いに備える方式をとっています。
この一定の金額=掛金を決めるにあたっては、あらかじめ金利(たとえば予定利率5.5%)を見込んで決定しています。「この予定利率で順調に資産運用できれば、これくらいの掛金で、将来これだけの退職金が貯められる」といった具合です。 しかし、この予定利率と実際に積立に付与される運用収益は全くの別物で、現在は、長引く低金利に影響され、運用収益は最低保証利率の0.75%しか確保できていないというのが実態です。当初設定した予定利率と実際の運用収益との差が積立不足となります。適格年金を導入している企業の多くが、この積立金不足を抱えているといってもいいでしょう。積立不足が発生しても、現行の適格年金には穴埋めの義務は課せられていません。よって、多くの企業が適格年金の中にマイナスを抱えたままの状態で継続・先延ばしをしています。
適格年金は、それでも積立金のあるうちは退職者が出るたび、退職年金規程に基づき退職金を支給します。現状のまま放置しておくと、退職者が出れば出るほど積立金は流失し、やがて資金は底をつく可能性があります。しかしながら、退職年金規程がある限り、企業は退職者に対して必ず退職金を支給する義務を負うのです。退職金倒産の危機を感じる経営者の方も少なくないでしょう。
適格年金の積立不足金は、遅かれ早かれ、必ず企業が穴埋めをしなくてはならないのです。


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