有給休暇 その2
「先生そげなことなかでしょうもん。うちらの業界でん、パートまで有給休暇ばやりようとことはなかですよ。そげな話聞いたことなかですよ。はぁ?アルバイトまで・・・ですか」
労働基準法の定義には正社員・パートタイマー・アルバイト・嘱託といったものは存在しない。条文上で存在するのは“労働者”のワードだけであるから、雇用されて労働力を提供し賃金を受け取る者は全て労働者となる。ここには雇用形態によった区分は一切ないということを理解しておく必要がある。したがって、労働法的に「労働者が有給休暇を請求した場合・・・」とあれば正社員がと限定されていない以上、労働者にはパートタイマー・アルバイト等全てを含むと解しなければならない。このことを社長へ説明し、理解を求めた。
「そういう訳ですから有給休暇は正しく与えるようにしてくださいよ。よろしいでしょうか」
「そげん言われてもですよ、今パートの全員が有給休暇ば請求してきたら、うちは業務がまわらんごとなりますばい。こらぁパートに知られんようにしとかんといかんですね」
「いやぁ社長、そういう問題じゃなくて・・・」
「先生の立場は分かりますよ。しかし、死活問題ですばい!なんとかならんとですか」
実際の中小企業の実態としては、労務費を抑えるために正社員ではなくパート・アルバイトで業務をまわしているところが多い。その非正社員であるパートタイマーの各々がそれぞれ有給休暇を会社へ請求してきたとしたら余剰人員を抱えていない中小企業にとっては大問題であろう。しかし、この請求を拒否することは労働基準法違反となるため避けなければならない。
つづく
2006-12-13 1951ʬ00 [ 社労士の日常 ]


コメント